生理痛がひどい(PMSや月経困難症)
診療案内
診療案内
月経(生理)とは約1か月の間隔で子宮の内膜が出血を伴ってはがれ落ちる事を言います。月経(生理)は微妙なホルモンバランスの上に成り立っています。身体的・精神的状態に問題を抱えていると異常があらわれることがあります。
また、月経(生理)に伴って色々な症状が起こることがあります。たとえば、
といったものです。
これらの症状が強くあらわれて、日常生活に支障をきたすような場合には、「PMS(月経前症候群)」や「月経困難症」などの病気であるかもしれません。
月経前症候群は「PMS(PreMenstrual Syndrome)」や「月経前緊張症」と言われることもあります。月経の3~10日くらい前から症状があらわれ、月経が始まると生理痛などの症状は弱まっていきます。乳房の張り・痛み、下腹部痛、イライラなどの症状があります。特にイライラやうつ状態などの精神症状が主体の方を「月経前不快気分障害PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)」と言っています。
まず、下に示しました「日常生活上のポイント」を実践されると良いです。適度な運動をされて気分をすっきりされるだけでなく血流も改善し良い効果が期待されます。また基礎体温を測ってイライラの具合や気分の変化を基礎体温表に合わせて記入するとご自身の体調やその変化の具合がわかるようになります。それを踏まえて(今はイライラしやすい・落ち込みやすい時期だなあと思いながら)生活されると症状の軽減に役立ちます。こうしてご自身でのコントロールだけではうまく乗り切れないようであれば受診をされると良いでしょう。
月経困難症(げっけいこんなんしょう)は月経(生理)が始まると症状があらわれ、終わると症状もおさまります。下腹痛や腰痛が主な症状です。月経血がスムーズに子宮の外へ流れないことや子宮を収縮させる物質が多く作られることにより子宮が強く収縮して下腹痛や腰痛などが起こると考えられています。多くの方は、生理痛は無いか、たまに痛くなる程度だと思われますが、こうした症状が強く、仕事や生活に支障があるという方は月経困難症だと言えます。中には子宮内膜症という病気で月経痛が強くなっている方もあります。子宮内膜症は子宮の外に子宮内膜のような組織ができて、そこで毎月、月経みたいなことが起こる病気です。子宮・卵管・卵巣の周辺に癒着を起こし、痛みも生じて、長くなると不妊の原因にもなる重要な病気です。
子宮内膜症の診断は難しく、本当のところは腹腔鏡でお腹の中を覗いて見ないとわかりません。腹腔鏡は全身麻酔や入院が必要になる身体の負担が大きい検査ですので、疑わしい人のすべてに腹腔鏡検査を行うわけにもいきません。ですから通常は臨床的に判断します。問診や超音波検査、可能な方には内診を行います。
通常の月経困難症の場合は、周期によって痛みが強かったり、軽かったり、無かったりします。この場合は痛みの強い時や痛みの気配がしだしたら痛み止めを内服されても良いでしょう。市販の痛み止めで効果の無い場合や痛みが強くて仕事や学業に支障があれば受診しましょう。月経痛が毎月あって強く、1年前の今頃よりも今の方がだんだんと強くなっているという場合は子宮内膜症である可能性がありますから、早めに受診しましょう。
体が冷えると血行が悪くなり、下腹部痛や腰痛などが悪化することがあります。カイロなどを使って腰や下腹部を温めたり、ぬるめのお風呂にゆっくりつかって適度に体を温めたりすると楽になります。またゆっくり入浴することでリラックスでき、ストレスの解消にもなります。
塩分や水分のとりすぎに注意して、栄養バランスのとれた食生活を心がけましょう。ビタミンB6の不足は月経前症候群の原因の一つとも言われているので、これを多く含む食品をとるようにしましょう。一方、カフェインは月経前症候群を悪化させることがあるので、月経前にはコーヒーやチョコレートなどは控えましょう。ちなみに、ビタミンB6が多い食品には鶏肉、サケ、イワシ、大豆、バナナなどがあります。
ストレスは様々な病気の原因になったり、症状を悪化させたりすることがあるので、そのもとを見つけて取り除くようにしましょう。睡眠を十分にとることや、読書、音楽を聴くなど、リラックスできる時間を持つこともストレスの解消につながります。
ウォーキング、テニス、サイクリング、水泳などのお好きなスポーツがあれば、それらを定期的に行うようにしましょう。これらの全身運動は気分転換になるだけでなく、血行を良くして症状の改善にもつながります。
身体や気分の変化と月経の関係をセルフチェックしましょう。月経の開始日や症状のあらわれる時期が予測できるだけで、気分が楽になります。基礎体温を測ってグラフに記入し(基礎体温表と言います)、合わせて自分の体調の変化も記録すると、月経のサイクルと体調の変化との関連がわかるようになり、たいへん便利です。
いわゆる痛み止めの類です。市販の鎮痛薬で効く人もあります。市販のものでは効かなくて医療機関で処方する場合もあります。
低用量ピルの項でも触れていますが、低用量ピルと同類のホルモン剤での中で保険適応のある薬があります。LEP(れっぷ)療法といいます。多くの症例はこの方法で月経困難(強い生理痛)が解消します。
ストレスは様々な病気の原因になったり、症状を悪化させたりすることがあるので、そのもとを見つけて取り除くようにしましょう。睡眠を十分にとることや、読書、音楽を聴くなど、リラックスできる時間を持つこともストレスの解消につながります。
イライラや憂うつ、不安感など気分の変化が激しい場合に使用します。
以前に比べ治療の選択肢が増えましたので、痛み止めだけで我慢されていた方は、ぜひ一度ご相談ください。
!!!まずは悩まず相談を!!!