名古屋の産婦人科小児科|伊藤しあわせクリニック

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更年期障害

『更年期』は第二の人生に渡るハシゴ
更年期は、性成熟期と老年期の間で、閉経前後の10年間(45歳~55歳)にあたります。加齢による卵巣機能の低下に伴い、エストロゲン分泌が急激に減少し、身体的にも変化が自覚されます。英語ではclimacteriumと言います。これはギリシア語のklimakter(はしご)が語源です。つまり、性成熟期と老年期の間の「はしご」の時期が更年期なのです。

またこの時期はお子さんが大きくなって難しい時期に差し掛かったり、職場の状態にも変化が生じたりしてご自身を取り巻く環境が大きく変化する時期にも重なります。

平成26 年簡易生命表によると、女性の平均寿命は86.83 年でした。日本女性の平均閉経年齢は50歳ほどですので、閉経後36年も人生が続くのです。単純に36年を86年で割ると4割ほどになります。まさに、閉経後は第2の人生と言う事になると思います。

『更年期』によく見られる症状
さて更年期になると、多くの女性で、月経不順・のぼせ・ほてり・発汗・疲労感・不眠・不安・憂うつといった症状がみられるようになります。これらは更年期障害の主な症状ですが、中でも典型的な症状は、主に肩から上が急にカ~ッと熱くなる「のぼせ」(ホットフラッシュとも言います)や、急に頭から汗がどっと出る(発汗)、というものです。

これらの原因は女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に低下する事が主体ですが、その他に本人の性格や家庭・職場といった生活環境も影響してきて、症状の種類や強さには個人差があります。症状の程度が軽い、頻度が少なくて普通の生活が可能な方はそのままでも良いと思われます。しかし、中には症状が頻繁に現れる、症状が強いなど、日常生活に支障を生じる方がいます。こうした状態になると更年期障害と言い、治療が必要になります。

また、エストロゲンの低下した状態が続くと、腟や膀胱の粘膜が変化して、腟炎・性交痛・尿失禁などが起こってきます。さらに長期間この状態が続くと、骨の中のカルシウム量(骨量と言います)が低下して骨粗しょう症になったり、動脈硬化、心筋梗塞や認知症が起こりやすくなったりすると言われています。

症状が出てきたら、まず適度な運動を始めてみられたらいかがでしょうか。適度な運動は自律神経にも良い影響があり、症状の軽減に有効です。

予防という側面では、植物性エストロゲンを摂取されると良いでしょう。食品では豆類に多く含まれています。納豆や豆腐など色々ありますね。サプリメントで摂取される方もあるでしょうがサプリメントでの摂取量は1日あたり30mgまでとなっていますので過剰摂取にはご注意ください。ちょっと話が脱線しますが、以前抗酸化作用で話題になったビタミンEは末梢の血流を良くする作用がります。更年期頃の女性は冷えを気にされる方が多くなってきますから、ビタミンEを摂取すると冷えの改善につながります。ただしビタミンEは脂溶性ビタミンなので、体内に蓄積されるので過剰摂取にならないように注意して下さい。過剰摂取でなくても不正性器出血を起こすことがあります。以前にコエンザイムQ10というのがテレビで話題になった時に不正出血を主訴に受診される方が増えました。

こうした一般的な療法をお試しになったけれど症状が良くならないとか、そもそも症状が強いという方は受診されると良いでしょう。問診やホルモンの検査などを行い、治療が必要な状態かどうかを診断し、治療方針を決めさせていただきます。

自分にあった『更年期障害』の治療法を選びましょう
更年期障害の治療法は、いろいろあります。

  • 適度な運動をする、趣味の時間を持つ事は身体的・精神的に良い影響があり、更年期症状の軽減につながります。また、適度な運動は、脂質異常症(高脂血症)、動脈硬化、骨粗しょう症の予防にも効果的です。更年期の年代の方は特定健康診査(いわゆるメタボ検診)を受ける機会もあると思いますが、適度な運動はメタボリック・シンドロームと判定されないようにする効果も期待できます。バランスの良い食事も重要です。
  • 薬物療法:自律神経調整薬、抗うつ薬といったお薬も有効です。後述するホルモン療法もこの中に入ります。
  • カウンセリング療法:悩みやストレスが原因の場合はカウンセリングという方法もあります。こうした場合はうつ状態が強いことがありますので、心療内科に相談されると良いかもしれません。
  • ホルモン療法:ホルモン補充療法とも言います。更年期の症状は女性ホルモンのエストロゲンが低下して起こるわけですから、それをお薬で補ってやれば良いと言う事になります。ですから、これは根本的な薬物療法で、欧米では広く普及しています。
    お薬の投与方法としては、飲み薬や貼り薬があります。エストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)を合わせて使用するのが一般的です。黄体ホルモンを使う事で、子宮体がんの発症を防ぐことができます。手術で子宮を摘出してある人はエストロゲンだけを使います。
ホルモン療法のメリットは、

  • のぼせ、ほてり、発汗といった症状に対して効果的です。
  • 腟炎や性交痛なども改善します。皮膚に弾力が戻り若々しい肌になります。
  • 骨量の減少が抑制されることで骨粗しょう症になりにくく、骨折が少なくなります。

このように、良い事がいろいろあります。

ホルモン療法のデメリットは、

  • 副作用として:子宮からの不規則な出血(不正性器出血と言います)、乳房の張り・痛み、吐き気(飲み薬の場合)、皮膚のかぶれ(貼り薬の場合)などがあります。これらの多くは始めのうちにみられ、続けていくうちに軽快・消失するものもあります。
  • 乳がんとの関係:ホルモン療法を長期間行うと乳がんのリスクが高まりますが、5年未満のホルモン療法では乳がんの発症率に影響しないと報告されています。また、乳がんのリスクは治療中止後にはなくなるとも言われています。定期的な乳がん検診で早期発見が可能です。
  • 子宮体がんとの関係:エストロゲンと黄体ホルモンを一緒に使用すれば、子宮体がんを発症することはありません。
  • ホルモン療法が行えない病気があります:乳がん、子宮体がん、血栓症、心筋梗塞、狭心症、脳卒中、原因の診断がついていない異常性器出血、重い肝障害といった病気の場合はホルモン療法ができません。子宮筋腫や子宮内膜症といった病気の場合は、病気の状態をチェックしながら慎重にホルモン療法を行う必要があります。

とくに症状が強くなくても気になるようでしたらお気軽にご相談ください。子宮がん検診や乳がん検診のついでにご相談いただいても結構です。検査、治療を進めて行きましょう。

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