名古屋の産婦人科小児科|伊藤しあわせクリニック

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「おりもの」について

  • 「おりもの」は専門用語としては「帯下(たいげ)」と言います。
  • 帯下は腟外に流出した性器分泌物や滲出液(しみ出して来た液)のことです。
  • 量が増えてくると「おりもの」として自覚されます。

そうすると、なぜ増えるのか(原因は何か)が知りたくなりますね。

原因としては、

  1. 生理的な増量(生理的帯下)
  2. 病的な増量(病的帯下)
の2つに分けられます。

帯下の発生場所から見ると、(膣の入り口の側から順に奥へ行く順に並べてみました)

  1. 前庭帯下(腟の入口の部分を腟前庭と呼びます。ここから出る帯下のことです)
  2. 腟帯下(腟から出る帯下です)
  3. 頸管帯下(子宮頸管から分泌される帯下です)
  4. 子宮帯下(子宮内膜の分泌腺から出る帯下です)
  5. 卵管帯下(卵管粘膜から分泌される帯下です)

に分類されます。

上記のそれぞれの部位から生理的帯下や病的帯下が発生します。
一つずつ説明すると長くなりますので、表にして分類します。

発生部位 生理的帯下 病的帯下
前庭帯下 外陰部の汗腺や皮脂腺からの分泌。バルトリン腺などの粘液線からの分泌 外陰炎、外陰がん
腟帯下 腟壁から剥がれ落ちた上皮(皮膚も表面から剥がれて垢になりますがそれと同じ考え方です)、腟壁の血管・リンパ管からしみ出した液(滲出液) 腟炎(腟炎の原因はいろいろあります。原因によっては特徴的なおりものがあります)、腟内異物(代表例としては子宮脱の治療として腟内に入れるペッサリーという器具がありますが、そうした異物があるとおりものが増えます。)
頸管帯下 子宮頸管線から分泌される頸管粘液という液体のことです。これは排卵が近づくとたくさん出てくるようになります。透明な液で指につけて開いて見るとビューンと延びます。 感染による炎症、子宮腟部びらん
子宮帯下 子宮内膜の分泌腺から分泌されます。これは黄体期(排卵後の時期)に増えます。透明な液です。 子宮内膜炎、子宮頸がん、子宮体がんで増えます。血性(つまり出血です)だったり膿性(膿み)だったりします。
卵管帯下 卵管粘膜の分泌腺からの分泌液(分泌される場所が、子宮内膜よりも奥側ということになるので、これを単独に認めることはあまりありません。) 卵管留水症・卵管留膿症(卵管に水が溜まっていたり、膿が溜まっていたりすることを言います)や、卵管がんで増量します。

帯下の性質についても種類があります。

  1. 白色帯下:生理的帯下はここに入ります。腟カンジダ症の場合も白いおりものですので、ここに入ってきます。
  2. 黄色帯下:白血球や細菌が増加すると黄色くなってきます。感染が強くなると膿になります。
  3. 赤色帯下・褐色帯下:これは出血が混ざっているということです。おりものというよりもむしろ性器出血ですが、量が少ないとおりものに混ざる感じになります。
  4. 漿液性(水様性)帯下:炎症による滲出液の増加によるものです。他に妊娠中に破水してしまった場合もあります。(これは羊水というお水の様なものが出るのでここに分類されます)
  5. 悪臭を伴う帯下:ばい菌が感染するとくさい臭いが出ます。腟炎が起こって臭うこともあるでしょうし、子宮頸がんなどの癌にばい菌が感染しても臭います。教科書的には「魚が腐った様な臭いがする」などと言いますが、あまりピンときません。また「臭いがする」というと、下着やおりものシートに付着したおりものの臭いを嗅ぐ方がいますが、わざわざ嗅がなくてもトイレに入って下着を下ろすと臭ってきますので直ぐに判りますので、そんなに心配しなくても結構です。ちなみに酸っぱい様な臭いは汗に由来する臭いなので、心配ありません。

生理的帯下はバルトリン腺などを除いて、通常は月経周期の中で変化した結果のものですので、その時だけの一時的なものです。時期が過ぎれば無くなります。
一方、病的帯下は腟炎などに伴うものですので、多くは臭いがします。腟カンジダ症などいくつかの病気については特徴的な帯下があるのでおりものを見るとわかることもあります。また、外陰炎を伴うことも多いので、外陰部の痒みが出てきます。こうした症状がありましたら受診されると良いでしょう。あまり楽観しすぎても、疾患が早期のうちに発見できないことにもつながります。気になる様でしたら一人で悩んでいても仕方がないので、遠慮なく受診してください。

当院では、おりものを主訴に来院された方には、帯下を一部採取して顕微鏡でチェックしています。
帯下を顕微鏡で見ると、正常な場合は扁平上皮(腟の壁を構成する細胞)と常在菌(デーデルライン桿菌(かんきん)と言って棒状になっている細菌です)が見えて整っている感じがしますが、ばい菌の感染が起こってくると炎症が起こり、白血球やばい菌が見える様になってきます。カンジダも顕微鏡で見えるのですが、帯下の量が少ない場合やカンジダの形態によっては顕微鏡で確認しづらいこともあります。カンジダは外陰部に広がると外陰部腟カンジダ症ということになるのですが、外陰部のかゆみが結構強いのです。ですから外陰部のかゆみを伴う場合には特にカンジダを重視して検索しますので、帯下を培養検査してカンジダが育ってくるかを見極めて治療することもあります。
こうして帯下をチェックすると正常なのか汚れているのかがよくわかりますので、心配な時はぜひ受診してください。

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